1、大森調節池の開削

大森調節池は治水基本計画(昭和58年)に基づいて掘られた、不老川の洪水対策のための調節池です。

昭和58年から用地買収が始まり、昭和63年には掘削工事を着工、平成6年に完成しました。当初の予定では 計画面積33.0ha 貯水量850,000でしたが、掘り進めるうちに地下水が湧出するため工事を中断しました。現在の調節池は面積6.4ha 貯水量105,300暫暫定(面積7.7ha 貯水量150,000となっています。

 

2、多自然調節池

素掘の池には地下水が出て溜まり、ヒメガマ、フトイなど多<の植物が繁茂して、鳥や虫、水中生物の生息地となりました。ここは狭山丘陵と加治丘陵をつなぐグリーンネットワークの中継点として、生態系や野生生物のすみかとしても、重要な位置にあります。また不老川という水のネットワークとの交点としても重要です。治水機能を満たしながらも、豊かな自然を持つ調節池を未来の子供達に残したいと市民活動が始まりました。

 

3、市民活動の流れ

①森づくり 平成9年から 500本のクヌギ・コナラ等を植林 

多様な生物の生息域にするため、堤防に森づくりを計画。近隣の雑木林からクヌギ・コナラなどのどんぐりを採ってきて家庭で育て、翌年から子どもたちと共に植林を始めた。下草刈り、ゴミ拾い等で年3~4回行った。参加人数約20人~50人 生態系保護協会入間支部と共催

 

②カエルトンネル  平成112月完成 

調節池と道路を隔てた森で冬眠し、調節池で繁殖行動するカエルが、毎朝道路を渡るためにたくさん車にひき殺され、

カエルたちを救おうと人力でのカエル救出作戦を行った。平成10年に入間市に対してカエルトンネルの作成を要

望し、112月に完成した。

トンネル完成記念シンポジウム 講演「カエルの秘密」 共催:生態系保護協会入間支部、大森の池ファンクラブ

川流域川づくり市民の会、(財)トトロのふるさと財団 

 

「鳥になろう 魚になろう 大森の池まつり」平成12年~平成27年 全15

主に子供達を対象に、水辺に親しみながら環境への理解を深めることを目指して、年1回大森調節池行うイベント。 

ボート・カヌー、魚とり、不老川の生き物調べ、水質検査等。毎回約400人参加 当初は水に入ること(水深30㎝)を

ためらう子が多かったが、現在はずぶ濡れもいとわず、夢中になっている。リピーターも多い。

 

4、今後について

大森調節池は普段は閉められて人の立入りが制限され、人の手もあまり入らないだけに、少なくなったとはいえまだ多様な自然が残っています。植物では埼玉県絶滅危惧種Ⅱ類タコノアシや準絶滅危惧種のミクリ、動物ではアオダイショウやカヤネズミ、魚ではここ2年あまりジュズカケハゼが大量に見つかりました。

この自然をさらに育み、不老川の治水と共存させながら、河川環境改善の種地や子供たちの環境教育の場としておおいに利用したらどうでしょうか。

大森調節池は沢山の可能性を秘めています。      

2017(平成29)3