不老川は、もともと自己流量が少なく、都市排水が水源の大半を占めていることから、下水道の整備が進むと水質は改善されますが、その一方で都市排水という水源が失われるため、水辺の形成の不可欠な水量自体が不足することになります。不老川の下流に位置する川越市に下水処理場があったことからその処理水を活用し、当面する水質改善と将来的に必要な流量確保を図ることとしました。

 

川越市の滝ノ下終末処理場(現新河岸川上流水循環センター)に隣接して荒川右岸川越浄化プラントを設置し、BOD=10mg/L、日最大3万9,000立方メートルの処理水を不老川(狭山市南入曽地内)へ送水することとし、平成5年度から着工し平成10年度に送水を開始しました。

 

荒川右岸川越浄化プラント内に、「砂ろ過+オゾン処理」の高度処理施設を築造し、処理水の水質をBOD=5mg/Lに改善して不老川へ送水することとし、平成11年度から着工し平成13年度から運転を開始しました。

 

処理場から不老川へ送水する間に、BOD値が上昇する問題(処理水中のアンモニア性窒素の硝化が原因)が生じ、その対策が求められていました。

この対応として、平成18年9月から新河岸川上流水循環センターの標準法による水処理を硝化促進運転とし、さらに平成23年6月から窒素やリンの削減を目的とした高度処理を導入し、放流水の水質向上を図ってきました。

埼玉県ホームページより抜粋

 

 


不老川水質環境保全対策流域下水道事業

平成10年5月 送水開始

平成13年4月 砂ろ過及びオゾン処理を開始

平成18年9月 硝化促進運転開始

平成23年6月 硝化促進運転に替わり、窒素・リン除去開始

高度処理施設

砂ろ過+オゾン処理にて最大39,000m3/日処理

処理水質:BOD=5mg/L

送水施設 0.225 m3/s・台×2 台にて最大0.45 m3/s 送水

放流幹線 延長:12.5km、φ700mm

放流先 :不老川(狭山市南入曽)